カーリースで軽貨物運送を始めるメリットは?黒ナンバー交付までの流れも解説
2024.03.27 軽貨物運送業について
運送業界の需要が増していることから、軽貨物ドライバーとして独立開業を目指す方も増加しています。
そこで必要となるのが軽バンなどの軽貨物車両ですが、専用の車両を購入するのか、カーリースを利用したほうがよいのか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、カーリースを利用するメリット・デメリットや開業するまでの流れを詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
カーリースでも開業できる?
カーリースを利用して手配した車でも、軽貨物運送業の開業は可能です。
多くのメリットが得られることから、さまざまな事業者がカーリースを利用しています。
また、軽貨物ドライバー向きのカーリースも存在し、会社によってサービスも多種多様です。
しかし、デメリットとなる部分もあるため、下記で詳しく解説します。
カーリースで軽貨物運送業を始めるメリット
カーリースには、多くのメリットがあります。
すぐに開業できる
軽自動車は普通車より価格が手頃であるものの、購入する場合はある程度の資金が必要です。
なお、車両価格の10〜20%ほど、初期費用も別途発生します。
その点、カーリースは初期費用が不要なため、購入資金が足りない場合でも、すぐに開業できる点が大きなメリットです。
契約プランに応じて、毎月定額の料金を支払うだけで車に乗り続けられます。
会計処理が簡単
車を購入した場合は減価償却を行う必要があります。
減価償却とは、固定資産の取得費用を一定の期間で分割して計上する方法のことです。
しかし、カーリースを利用した場合は固定資産に当たらないため、月額料金の全額を計上できます。
個人・法人を問わず、大きなメリットでしょう。
管理の手間を省ける
カーリースには、メンテナンスを含めたプランが用意されています。
メンテナンスプランとは、通常のプランにも含まれる各種税金や保険料に加えて、車検費用やメンテナンス費用などが幅広く含まれたプランのことです。
不定期に発生する出費を防げるので、慌てずに済むうえ、資金管理の手間も軽減されるでしょう。
特に、新たに軽貨物運送業を始める方や個人事業主として事業を始める方にとってこれらのメリットは大きいと言えます。
個人事業主として軽貨物リースを検討している方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。
カーリースで軽貨物運送業を始めるデメリット
カーリースには、いくつかデメリットも存在します。
審査が必要
カーリースを利用する際には、審査をクリアする必要があります。
現在の収入や信用情報などの確認があるため、借入金が多い場合や金融事故の履歴が残っている場合は審査に通らない可能性があるため、注意しましょう。
ただし、審査が厳しいというわけではなくリース会社によっては基準が緩いケースもあるため、会社を選ぶ際の一つの判断基準として意識しておきましょう。
契約期間中の解約には違約金が発生する
リース契約は、基本的に期間中の使用を続けることが前提となっているので、契約期間中の解約は違反となり、違約金の請求を行うことが可能です。
そのため、リース契約を結ぶ際は、自身がどの程度の期間利用するのかしっかりとした見積もりを出すことが重要です。
軽はずみな契約をすれば、望まない違約金を払うことになるため注意しましょう。
開業するには黒ナンバーの申請が必要
軽貨物運送業を開業するには車と必要書類を揃えて、黒ナンバーと呼ばれる事業用のナンバープレートを取得しましょう。
黒ナンバーの条件
以下の条件を満たした車は、黒ナンバーの申請が可能です。
- 車の用途が貨物用であること
- 営業所と休憩施設が確保できていること
- 営業所から2km以内に車庫を確保できていること
- 1台以上の車が確保できていること
- 運送約款を準備していること
- 損害賠償能力を備えていること
なお、営業所と休憩施設は自宅の一部を使用することも可能です。
車庫も含め、賃貸でも問題はありません。
黒ナンバー交付までの流れ
一般的にカーリースの契約から黒ナンバーが交付されるまでは、以下の流れで行います。
1.カーリースの契約を行う
自分の希望に合ったカーリース会社を探したら、審査と契約に進みます。
手続きに必要な書類は会社によって異なる場合があるため、確認が必要です。
なお、車庫証明は発行までに数日かかるので、書類の準備は計画的に行いましょう。
2.運輸支局で手続きを行う
カーリースの審査と契約を無事に終え、事業用の車を決めたら、黒ナンバーの申請に移ります。
以下の必要書類を揃えて、管轄の運輸支局へ提出しましょう。
- 貨物軽自動車運送事業経営届出書
- 事業用自動車等連絡書
- 運賃料金表 ※場合によっては「運賃料金変更届出表紙」も必要
- 車検証のコピー
書類に不備がなければ、手続きを終えた連絡書が返却されます。
3.黒ナンバーを受け取る
次は軽自動車検査協会で手続きを行います。
返却された連絡書のほか、車検証の原本とナンバープレートを持って、黒ナンバーの交付を受けましょう。
【軽貨物】リース会社を選ぶ際のポイント3選
最後に、軽貨物リース会社を選ぶ際の3つのポイントをご紹介します。
適切な月額料金
リース会社では基本的に月額料金が設定されており、会社によっては相場に見合わない月額料金を提示されることがあります。
そのため、複数の会社の月額料金を比較し見積もりを取ってから申し込みをしましょう。
一方で、料金の安さだけを重視すると、サービスのクオリティが低く後悔する可能性もあります。
リース会社を検討する際は、料金面とサービス内容を確認し、適切な月額料金であるか精査したうえで選ぶことが重要です。
残価清算制度の有無
リース会社のプランの中には、残価清算制度が定められている場合があります。
残価清算とは「契約時に会社が設定する想定査定金額と契約終了時の実際の査定金額の差額分を精算すること」であり、実際の査定額が残価を下回った場合は、差額を支払う必要があります。
会社によっては、残価清算が設定されていないケースもあるので、契約終了時の支払いを気にしたくない方は選ぶ際の基準としましょう。
走行距離制限の有無
リース会社は、車の価値を大幅に落とさないために走行距離制限を設けている場合があります。
一般的な制限の距離は、月間1,000~2,000kmであるため、長距離の配送が多い傾向にあるならば注意が必要です。
しかし、月別に確認があるケースはほとんどなく、契約終了時の総走行距離で判断されるケースが多いため、距離制限を超える月が多少あるとしても問題はないでしょう。
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