【軽貨物運送業の法人成り】軽配送業は法人と個人事業主のどちらが良い?
2020.11.02 軽貨物運送業について 法人カーリース
個人事業主として順調に軽貨物運送業を営んできたものの、もう少し稼ぎたいと思ったときに視野に入るのが会社の設立、いわゆる「法人成り」です。
今回は軽貨物運送業を法人化させる流れや必要な要件について解説いたします。
【軽貨物運送業】法人と個人事業主の違い
まずは軽貨物運送を運営する法人と個人事業主の違いについてご紹介いたします。
法人と個人の違い
開業費用
個人事業主の場合、法人設立とは異なり設立登記費用が不要です。既に運送業許可を取得している場合は税務署に個人事業開業届を提出するだけで開業できます。
対して法人の場合は、まず株式会社の設立手続きが必要になります。
設立費用にはおよそ27万円程度の費用が必要です。
設立には3週間ほどかかるため、設立手続き後すぐに事業を始めることができません。
社会的信用度
個人事業主は登記が存在しませんので、事業主の実績や人柄などで取引の判断をすることになります。
一方、法人は登記登録をしているので登記事項証明書を取得することで誰でも資本金や役員の情報といった、法人の基本情報を得ることができます。
信頼度は情報がはっきりと分かる法人の方が高くなります。
融資
開業時に必要な資金を融資によって調達しようと考えている方もおられるでしょうが、融資は法人、個人事業主のどちらも受けやすさに差がありません。
法人・個人に関係なく、日本政策金融公庫で無担保・無保証人で300万円までの融資を受けられます。
ただし説得力や計画性のある事業計画プレゼンが行えないと、融資を受けられません。
事業税
事業税は法人・個人のどちらも支払い義務があります。
ただし金額に差があり、個人には290万円分の控除枠があります。
税率も3~5%と低いので、法人よりも事業税が安く済むことになります。
接待交際費の上限
個人事業主には交際費の上限が設けられておらず、接待費などは全て損金として計上することができます。
法人の場合は資本金が1憶円以下の場合は800万円が上限になっています。
よって個人事業主の方が経費を節約しやすくなっています。
赤字額の繰り越し年数
個人事業主の場合、赤字が3年繰り越した場合は所得から控除できます。
法人では10年間の繰り越しができるようになっており、赤字金額の繰り越しに関しては法人の方が有利になっています。
個人事業主の軽配送会社を法人化するには
個人事業主を軽貨物運送で法人化する流れと、法人化によるデメリットをご紹介いたします。
個人事業主の会社を法人化する流れ
個人事業主から法人化する場合、およそ4~5ヶ月かかります。
これから流れをご紹介しますので、スケジュールをしっかり管理しておきましょう。
①会社の設立
まずは会社設立です。
一般的に多いのは株式会社ですが、合同会社などでも法人化できます。
②譲渡譲受認可申請をする
必要書類を揃えて営業所管轄の運輸支局に提出し、一般貨物自動車運送事業許可の譲渡譲受認可申請を行います。
※中国運輸局のみ、資本要件が求められないことになっています。
認可にはおよそ3ヶ月必要です。
③役員法令試験を受験し、合格する
譲渡譲受認可申請を行った月の翌月以降で登記された役員のうち常勤役員の誰かが法令試験を受験して合格しなければなりません。
個人事業主の経験があった場合も、受験と合格は必須です。
④車検証を書き換える
車検証の書き換えには必要書類がありますので、全て揃えてから車検証を法人名義に書き換えます。
⑤譲渡譲受完了届の提出
運輸支局に譲渡譲受完了届を提出したら、運輸支局で行う手続きは終わります。
譲渡譲受完了届を提出する際、設立した法人の社会保険加入証明等も併せて提出します。
⑥トラック協会の巡回指導を受ける
設立した法人にトラック協会適正化実施機関の巡回指導が来ます。
なお、観葉運輸局管内の場合は譲渡譲受完了届を提出していなくても巡回指導が入ります。
法人化することのデメリット
法人化するには法人の設立手続きと費用が必要になります。
法人の場合は設立以外にも多くの手続きが必要なので、開業まで非常に慌ただしくなることもあるでしょう。
運行管理者の配置なども必要になるので、人材確保なども考えなくてはなりません。
また、法人は個人事業主に比べて会計処理が複雑になります。
会計処理が複雑かつ高い精度が要求されるようになることで、税理士に会計を依頼するなど、費用がかかりやすくなることがあります。
個人事業主から法人化する際に必要な要件
法人化する場合は6つの要件にも気を付けねばなりません。
譲渡物
運送業許可を譲られる場合は、譲渡してもらう側に必ず何かを買取らなくてはなりません。
買い取るもののことを譲渡物といいます。
譲渡物に指定はないので、車両ではなくパソコンやコンテナでも大丈夫です。
ただし地域によってはトラックの買取が必須である場合がありますので確認してください。
資金
資金が十分にないと法人化することができません。
資金には6つの費用が入ります。
①譲渡物の購入費用
②役員報酬6ヶ月分
③従業員給与6ヶ月分
④車両のリース・ローン月額12ヶ月分(頭金含む)
⑤1年分の自動車税と取得税
⑥1年分の自動車保険料
自己資金は金融機関で発行する残高証明によって証明します。
人員
3つの事項が必要になります。
①譲渡譲受許可を申請する人員が懲役刑などの執行から2年以上経過していること。
②常勤役員が法令試験に合格していること。
③運行管理者や整備管理者の設置や、トラックの台数が十分あることなど、労働力が確保できていること。
営業所
営業所が都市計画法、建築基準法、農地法など各種法令に抵触していない場所にあることが必要です。
営業所のほかに休憩室や仮眠施設の確保も必要です。
駐車場
所有するトラックが容易に収容できる広さの駐車場を確保することが必要です。
また、駐車場も都市計画法などの各種法令に抵触していないことが求められます。
車両
法人では最低でも事業用の車両を5台以上確保しなければなりません。
軽貨物運送の場合、軽バンが5台以上必要になります。
SKSでは
SKSでは法人様に向けたカーリースプランも各種取り揃えております。
個人事業主から法人化を考えている方は是非SKSまでご相談ください!
関連記事